種々の雑記

    

趣味

    
#読書
『華氏451度』、焚書とたった1行で終わる戦争描写の小説。
ベイティーのことが好きというか、嫌いになれないし、知識人の、すべて要約、短縮、省略された世界があったとして、そんな世界に対する反応の一形態であると思ってしまったんですね。彼の末路について。
ベイティーがモンターグに世界の遷移と現状を語るときの単語、感嘆詞、オノマトペの羅列の軽妙さとそれだけでイメージが補完される感覚が印象深い。人間って案外省略された世界でも自分の良いように穴を補完して生きてしまえるし(実際に穴が塞がれた訳でもないのに)その後の遠心分離機の喩えがしっくりくる。
« 前へ次へ »