創作 #当該世界 ソウの誕生日短編『記憶、残滓、歪』について。いつもの解説的なもの。 今回は本文がとても長かったせいか、普段より語りも長いです。3600字ぐらいあるらしい。 続きを読む今回の短編はソウの過去の一幕→現在の一幕という構造。誕生日短編で暫定一番の長さ。 ざっくりまとめるとソウの今までとこれからの話になるんだろうか。 ソウは物心がついたときから、所謂裏社会で生きてきた。魔術の国のマフィアのボスが赤子を拾ってきたから、かなり筋金入り。大体13歳ぐらいまでいて、その後教会に捕まったというか、取引があって教会所属になり現在に至る。 まだマフィアにいた歴の方が長い。 昔は暴力が当然の世界だったので、その世界の常識に従って行動していた。生存戦略でもあるし、周りから自然と学習した結果でもある。口も今より悪いし、言葉も選ばないのですらすら出てくる。なので過去のソウの台詞だと呆れ以外で三点リーダーが出ることはあんまりない。 ソウの立場はかなり特殊で、とてもボスと距離が近い。 ボスが直々に拾った事情を差し引いても、他の同年代の少年達はボスと対面する事は早々ないのにソウはそこそこ頻繁に呼び出されるし、短編中でも触れているボスの息子であるカニスに関する重要な秘密をソウはしっかり知らされているので、適当な幹部よりも寵愛されていると言ったらアレだけど、信頼は厚かった模様。 こうも分かりやすいと周りからの反発がありそうだけど、実際は凄く畏怖されていた。ソウの体質、所謂呪い(今は祝福と呼ばれるものと同じ。人の傷をなかった事にできる力のこと)があったから。 その力の使い方も凄かったし、本人の暴力の躊躇いのなさが凄いので、寧ろ関わりたくない奴筆頭だったかもしれない。 過去においてはボスの他にカニスの存在も大きい。 カニスは愉快な奴で、彼もソウと似ている不思議パワー持ちです。ソウと同様にマフィアに適応した不思議パワーの使い方をしていて、実際結果もボスの息子に期待される分以上のものを出してたけれど、カニスの方は舐められていた。 マフィアも結構権力争いがあって、現ボスには逆らわないとして、次代はどうするかなって雰囲気がある。ボスの血を引いていても、寧ろ引いているからこそ結構アレなところがあり、そして特殊な力を持っているとなると、力に依存しているんじゃないか~とか色々あって、ソウがいた頃は結構不安定だった。 そんな状況下では、特殊な力を無効化する術の有無が分水嶺になっていた。つまりソウは無効化できないから距離を置くし、カニスには、実現可能性には目を瞑るとして、無効化する術があるから陰謀を練ってみる。 短編中の冒頭で死んだ人は、これをやろうとして敗走したよ~って感じ。 ソウとカニスの関係は、なんなんだろうか。 同年代だし、特に裏切り発生時の報復では良く組んでいたし、日常でも結構会話していたし、カニスはカニスで特殊な力があったので部分部分重なりはしたけど、友人と呼ぶには若干距離が変。 ソウから見たカニスは、時間を経る内にかなり変わっています。子供の頃は、生まれ持った力のせいで特別という同じジャンルで括られていたので同族意識はあったし、多少気持ちは分かるって思っていた。 でも今となっては、特殊な力の種類が違うし、血統も違うなら、血にまつわる独特の問題も期待も理解できないから、本当に同じだったのか疑っている。あとは血統故にマフィア以外に属せないカニスと、選択肢は少なすぎるし、背景に色々政治的事情がなければ成立しない問題はあるけれど一般人としてやっていける自分の対比にも思う所がある。 カニスから見たソウも色々あるけれど割愛! いつかちゃんとお話ししたい。 今のソウの話。 特殊な力が原因で、教会内部でもかなり特殊な立ち位置に居る。 普通に聖職者をやっていると関われない教会のトップ、ルミナと会って話せるぐらい特別。 まあ、実の所、教会の目的は信仰を広める・保全するほかに、特殊能力者の保護があるので、特殊能力持ちは保護されたときに会長と会っている。あとは国家と管理権を巡っての密談・交渉があるから、その方針立てるために会長と会話することは結構多いので、祝福持ちのソウがルミナと会うのは当然っちゃ当然。 あと何よりルミナが顔を見たがるので、ソウも例に漏れずかなり頻繁に呼び出されている。 ソウが牧師を辞める事は教会は勿論、国家も知っている。だから今、国が、しかも国王自ら声を掛けている。 国は昔から、祝福に限らず凄くレアな不思議パワーに目を付けて、国力として正式に組めたら得だな~と考えて、秘密裏に教会と交渉をしています。 今回はソウが不信心というのも追い風(現代は自由が謡われるから)になっているし、経歴が経歴故にれっきとした危険因子でもあるから、非常に熱心。 国家は特殊能力を直接管理したい&裏社会育ちで実質幹部と遜色ない立場にいたソウの監視したい思惑と、教会の保護の理念が相反して、今もやんややんやと政治的な交渉を続けています。 そもそも経歴を踏まえると、本来ソウは今みたいに、市井の人達、それこそミカとかと交流はできない。そこをルミナが国王陛下を滅茶苦茶小突いて、交渉した末に、教会所属としつつ国家の定期的な私服監視は許容して、実質教会と国家共同で管理することになった。同時にソウの法的な罪は有耶無耶になっている。 国家としても、経歴が黒すぎて組み込みにくい問題があったので、未成年であることを理由に刑事的責任を阻却して、一回教会所属を経由するこの交渉は、外観上は良い感じにできるメリットがあったので合意している。教会辞めた後ならギリ政教分離も潜り抜けられるとされているしな。 あと、この交渉には、ソウが元居たマフィアも噛んでくる(報復なしの保証と今後の不干渉の確約をする)ので本当に、なんか、凄く公にできない背景がある。 ソウはこの政治的談合を冷ややかに見ている。自分の意志はあってないようなものだから。政治的理由がないと立てない立場にいる事の裏付けだから。 結局立場が立場なので、教会と国家の共同管理の構造からは抜けられないから、不信人だけど教会に居続けるか、国家に移るかの実質2択を押し付けられているので、面白くはないよね。 教会と国家に対しては、自分がマフィアに戻る可能性を考えていなくてウケる、みたいな冷笑もある。冷笑するだけで戻る気はないのだけども。 じゃあどちらを選ぶか、となると、ソウにとっては教会も国家も嫌いなので、正直な所どっちでもいい。どっちでもいいけど、自分の好きなものがこの後も続く保証はあるか、という観点で教会を選びます。ソウって世界のほとんどのものが嫌いか、どうでも良いに分類されるので、数少ない好きなものに対する偏愛が凄い傾向がある。 余談だけども、個人的にはここらへんの偏愛に魔王っぽさを感じる。ソウは他者が基本嫌いで、暴力はどうでもいいと思っているので、昔は勿論、今だって暴力に躊躇いがない。偏愛の形・在り方を間違えると、不思議パワーも相まって世界を混沌に陥れる事が余裕で可能。マフィアから抜けた世界線が本軸で良かったね、世界。 こうしてみると、ルミナの事をかなりちゃんと信頼している。 振る舞いが無邪気すぎるし、教会のトップのくせに神様はいないって言うし、態度が軽すぎて露呈したら不味い事をうっかり漏らしそうでひやひやするし、なんかすっごく純真を感じて忌々しいときもあるけど、ルミナの絶対に意志を曲げない性格と教会という組織が特殊能力者の保護をずっと忘れずにこなしてきた実績は認めている。 あと子供の頃から今まで態度を変えずに接してきたっていうのも大きいかも。ソウが子供のころから表情をころころ変えて、無邪気で、でも仕事モードとの切り替わりが早くて、眩しくて、忌々しい。 ここ、小ネタがあって、ソウはルミナに対しては言葉選びが昔寄りで、台詞の三点リーダーが減る。これも割と信頼の現れだったりする。 ルミナ自身の話もどこかでめちゃくちゃしたいね。 ソウが言う「忌々しい」には2つの意味があります。 1つ目は言葉通り憎悪と呪詛です。 2つ目は憎悪と呪詛はあるけど、でもそれこそが貴方の美点ですよね、というニュアンス。 ルミナに対して言う「忌々しい」は2つ目の方です。 最後に出て来る黄金の星について。ミカを指しています。 ソウが牧師を辞める決断をできたのも、それでも教会本部に所属し続ける事を自分で選べたのも、自分の暴力性が切って離せないと真の意味で受容できたのも、ミカがいたからです。 そして世界の殆どが嫌いなくせに、こういう気付きをもたらしてくれた存在を抵抗なく受け入れてしまった。ソウにとって受容するのに抵抗がないし好きだと思うっていうのが本当に珍しい。 だから欲する。で、この欲の文脈が昔の暴力が常識の世界に由来している自覚があるので、日向を堂々歩くのが痛いのはしゃーないね、と思っている。 以上、長かった~。 ソウは牧師を辞めた後、教会本部で会計やるとか、ルミナの秘書的ポジションにつきそう。その頃にはミカと暮らしてほしいな。本当に。切実。 2026/06/24
ソウの誕生日短編『記憶、残滓、歪』について。いつもの解説的なもの。
今回は本文がとても長かったせいか、普段より語りも長いです。3600字ぐらいあるらしい。
続きを読む
ざっくりまとめるとソウの今までとこれからの話になるんだろうか。
ソウは物心がついたときから、所謂裏社会で生きてきた。魔術の国のマフィアのボスが赤子を拾ってきたから、かなり筋金入り。大体13歳ぐらいまでいて、その後教会に捕まったというか、取引があって教会所属になり現在に至る。
まだマフィアにいた歴の方が長い。
昔は暴力が当然の世界だったので、その世界の常識に従って行動していた。生存戦略でもあるし、周りから自然と学習した結果でもある。口も今より悪いし、言葉も選ばないのですらすら出てくる。なので過去のソウの台詞だと呆れ以外で三点リーダーが出ることはあんまりない。
ソウの立場はかなり特殊で、とてもボスと距離が近い。
ボスが直々に拾った事情を差し引いても、他の同年代の少年達はボスと対面する事は早々ないのにソウはそこそこ頻繁に呼び出されるし、短編中でも触れているボスの息子であるカニスに関する重要な秘密をソウはしっかり知らされているので、適当な幹部よりも寵愛されていると言ったらアレだけど、信頼は厚かった模様。
こうも分かりやすいと周りからの反発がありそうだけど、実際は凄く畏怖されていた。ソウの体質、所謂呪い(今は祝福と呼ばれるものと同じ。人の傷をなかった事にできる力のこと)があったから。
その力の使い方も凄かったし、本人の暴力の躊躇いのなさが凄いので、寧ろ関わりたくない奴筆頭だったかもしれない。
過去においてはボスの他にカニスの存在も大きい。
カニスは愉快な奴で、彼もソウと似ている不思議パワー持ちです。ソウと同様にマフィアに適応した不思議パワーの使い方をしていて、実際結果もボスの息子に期待される分以上のものを出してたけれど、カニスの方は舐められていた。
マフィアも結構権力争いがあって、現ボスには逆らわないとして、次代はどうするかなって雰囲気がある。ボスの血を引いていても、寧ろ引いているからこそ結構アレなところがあり、そして特殊な力を持っているとなると、力に依存しているんじゃないか~とか色々あって、ソウがいた頃は結構不安定だった。
そんな状況下では、特殊な力を無効化する術の有無が分水嶺になっていた。つまりソウは無効化できないから距離を置くし、カニスには、実現可能性には目を瞑るとして、無効化する術があるから陰謀を練ってみる。
短編中の冒頭で死んだ人は、これをやろうとして敗走したよ~って感じ。
ソウとカニスの関係は、なんなんだろうか。
同年代だし、特に裏切り発生時の報復では良く組んでいたし、日常でも結構会話していたし、カニスはカニスで特殊な力があったので部分部分重なりはしたけど、友人と呼ぶには若干距離が変。
ソウから見たカニスは、時間を経る内にかなり変わっています。子供の頃は、生まれ持った力のせいで特別という同じジャンルで括られていたので同族意識はあったし、多少気持ちは分かるって思っていた。
でも今となっては、特殊な力の種類が違うし、血統も違うなら、血にまつわる独特の問題も期待も理解できないから、本当に同じだったのか疑っている。あとは血統故にマフィア以外に属せないカニスと、選択肢は少なすぎるし、背景に色々政治的事情がなければ成立しない問題はあるけれど一般人としてやっていける自分の対比にも思う所がある。
カニスから見たソウも色々あるけれど割愛! いつかちゃんとお話ししたい。
今のソウの話。
特殊な力が原因で、教会内部でもかなり特殊な立ち位置に居る。
普通に聖職者をやっていると関われない教会のトップ、ルミナと会って話せるぐらい特別。
まあ、実の所、教会の目的は信仰を広める・保全するほかに、特殊能力者の保護があるので、特殊能力持ちは保護されたときに会長と会っている。あとは国家と管理権を巡っての密談・交渉があるから、その方針立てるために会長と会話することは結構多いので、祝福持ちのソウがルミナと会うのは当然っちゃ当然。
あと何よりルミナが顔を見たがるので、ソウも例に漏れずかなり頻繁に呼び出されている。
ソウが牧師を辞める事は教会は勿論、国家も知っている。だから今、国が、しかも国王自ら声を掛けている。
国は昔から、祝福に限らず凄くレアな不思議パワーに目を付けて、国力として正式に組めたら得だな~と考えて、秘密裏に教会と交渉をしています。
今回はソウが不信心というのも追い風(現代は自由が謡われるから)になっているし、経歴が経歴故にれっきとした危険因子でもあるから、非常に熱心。
国家は特殊能力を直接管理したい&裏社会育ちで実質幹部と遜色ない立場にいたソウの監視したい思惑と、教会の保護の理念が相反して、今もやんややんやと政治的な交渉を続けています。
そもそも経歴を踏まえると、本来ソウは今みたいに、市井の人達、それこそミカとかと交流はできない。そこをルミナが国王陛下を滅茶苦茶小突いて、交渉した末に、教会所属としつつ国家の定期的な私服監視は許容して、実質教会と国家共同で管理することになった。同時にソウの法的な罪は有耶無耶になっている。
国家としても、経歴が黒すぎて組み込みにくい問題があったので、未成年であることを理由に刑事的責任を阻却して、一回教会所属を経由するこの交渉は、外観上は良い感じにできるメリットがあったので合意している。教会辞めた後ならギリ政教分離も潜り抜けられるとされているしな。
あと、この交渉には、ソウが元居たマフィアも噛んでくる(報復なしの保証と今後の不干渉の確約をする)ので本当に、なんか、凄く公にできない背景がある。
ソウはこの政治的談合を冷ややかに見ている。自分の意志はあってないようなものだから。政治的理由がないと立てない立場にいる事の裏付けだから。
結局立場が立場なので、教会と国家の共同管理の構造からは抜けられないから、不信人だけど教会に居続けるか、国家に移るかの実質2択を押し付けられているので、面白くはないよね。
教会と国家に対しては、自分がマフィアに戻る可能性を考えていなくてウケる、みたいな冷笑もある。冷笑するだけで戻る気はないのだけども。
じゃあどちらを選ぶか、となると、ソウにとっては教会も国家も嫌いなので、正直な所どっちでもいい。どっちでもいいけど、自分の好きなものがこの後も続く保証はあるか、という観点で教会を選びます。ソウって世界のほとんどのものが嫌いか、どうでも良いに分類されるので、数少ない好きなものに対する偏愛が凄い傾向がある。
余談だけども、個人的にはここらへんの偏愛に魔王っぽさを感じる。ソウは他者が基本嫌いで、暴力はどうでもいいと思っているので、昔は勿論、今だって暴力に躊躇いがない。偏愛の形・在り方を間違えると、不思議パワーも相まって世界を混沌に陥れる事が余裕で可能。マフィアから抜けた世界線が本軸で良かったね、世界。
こうしてみると、ルミナの事をかなりちゃんと信頼している。
振る舞いが無邪気すぎるし、教会のトップのくせに神様はいないって言うし、態度が軽すぎて露呈したら不味い事をうっかり漏らしそうでひやひやするし、なんかすっごく純真を感じて忌々しいときもあるけど、ルミナの絶対に意志を曲げない性格と教会という組織が特殊能力者の保護をずっと忘れずにこなしてきた実績は認めている。
あと子供の頃から今まで態度を変えずに接してきたっていうのも大きいかも。ソウが子供のころから表情をころころ変えて、無邪気で、でも仕事モードとの切り替わりが早くて、眩しくて、忌々しい。
ここ、小ネタがあって、ソウはルミナに対しては言葉選びが昔寄りで、台詞の三点リーダーが減る。これも割と信頼の現れだったりする。
ルミナ自身の話もどこかでめちゃくちゃしたいね。
ソウが言う「忌々しい」には2つの意味があります。
1つ目は言葉通り憎悪と呪詛です。
2つ目は憎悪と呪詛はあるけど、でもそれこそが貴方の美点ですよね、というニュアンス。
ルミナに対して言う「忌々しい」は2つ目の方です。
最後に出て来る黄金の星について。ミカを指しています。
ソウが牧師を辞める決断をできたのも、それでも教会本部に所属し続ける事を自分で選べたのも、自分の暴力性が切って離せないと真の意味で受容できたのも、ミカがいたからです。
そして世界の殆どが嫌いなくせに、こういう気付きをもたらしてくれた存在を抵抗なく受け入れてしまった。ソウにとって受容するのに抵抗がないし好きだと思うっていうのが本当に珍しい。
だから欲する。で、この欲の文脈が昔の暴力が常識の世界に由来している自覚があるので、日向を堂々歩くのが痛いのはしゃーないね、と思っている。
以上、長かった~。
ソウは牧師を辞めた後、教会本部で会計やるとか、ルミナの秘書的ポジションにつきそう。その頃にはミカと暮らしてほしいな。本当に。切実。